Blender事始め – No.05(3D Viewportのユーザーインターフェース概要)

対象バージョン:Blender v2.82a

3D Viewportのユーザーインターフェース概要

Blenderを触っていると、「あれ?いつもと違う」とか「あれ?自分、何かした?」というような事が稀にある。

そう言った時は、たいてい、意図しないマウス操作やキー操作を行ってしまい、モードが切り替わってしまう場合が多い。

その様な場合に、慌てない様に(闇雲に操作してより分からない状態にしたり、仕方ないから最初からやり直そうとしたりしない様に)、View Portのユーザーインターフェースを一通り抑えておきます。

とは言っても、3D Viewportだけでも、数えきれない程の機能・設定があるので、大まかな部分だけ見ていきます。


全体画面構成

3D Viewportの画面構成は下記の様になっています。

それぞれについて、ざっくり見ていきましょう。


Tool Setting

これは、[View]メニューの[Tool Setting]で表示・非表示を切り替えられます。

各部位が何を示しているか見ていきましょう。

    • 現在のエディタ種別が「3D Viewport」である事を示します。
    • クリックすると他のエディタへ切替が出来ます。
    • 現在、マウスカーソルに割り当てられている機能(左側)と、それに応じた簡単な設定項目(右側)が表示されます。
    • 上記の場合は、ボックス選択をした際にどのように選択されるかを示しています。
    • Transform Controls
    • 移動・回転・サイズ変更時の振る舞いについての設定を行います。
    • 詳細は省略します。
    • 詳細は省略します。

自分の中では、「分からないもの、うろ覚えなものには触らない」が鉄則です。

Undo([CTRL] + 「Z」)で戻せればいいのですが、戻せないものも多いので…。

Mode & Menu

3D Viewport上の操作モードの切替と、それぞれのモードにおけるメニューが表示されています。

[View]メニューはどのモードでも共通ですが、それ以外のメニューは、各モードによって異なります。

モード切替

3D Viewportでの操作モードを切り替えます。

切り替えられるモードは、選択されているオブジェクトの種類によって変わります。

カメラ(Camera)や照明(Light)では、[Object Mode]以外には切り替えられません。

立方体(Cube)の様なMeshデータの場合は下記のモードに切り替えられます。

  • Object Mode (オブジェクトモード)
  • Edit Mode (編集モード)
  • Sculpt Mode (スカルプトモード)
  • Vertex Paint (頂点ペイント)
  • Weight Paint (ウエイトペイント)
  • Texture Paint (テクスチャペイント)

操作モードを切り替えると、右側のメニュー部分、Tool Barの内容、オブジェクトの表示の仕方も変更になります。

メニュー

メニュー部分は操作モードによって内容が変わります。

メニューの内容については、必要に応じて、今後記載していきます。


Tool Bar

これは、[View]メニューの[Tool Bar]やショートカット「T」キーで表示・非表示を切り替えられます。

この内容は操作モードによって変わります(種類が増えたり、減ったりします)。

また、ボタン(アイコン)の右下に小さい◢がついているものは、マウス左ボタンの長押しで機能一覧が表示され、機能を切り替える事が出来ます。

選択機能はショートカットキー「W」で切替が可能ですが、間違って切り替得てしまう事も多々あります…


Infomation

3D Viewportの左上に表示されてる情報について確認します。

1行目は、3D Viewportが透視投影・平行投影のどちらで描画されているかを表しています。

表示描画方法
User Perspective透視投影
User Orthographic平行投影

2行目の()内の数字は、タイムライン上のフレーム番号になります。

数字が1以外の場合は、スペースを押してしまったか、画面下部のTimeLine Editorのフレームを変更してしまった可能性が高いです。

2行目の()以降は、現在メインで選択されているオブジェクトが表示されています。

Collection | Cube

上記の様に標示されている場合は、「Collection」というコレクション内の「Cube」である事を示しています。

コレクションについては、ここでは説明は省略します。


Viewport Gizmos

ViewPortギズモについては、「Blender 事始め No.02 基本の操作‐視点の操作」を参照してください。


Display & Shading

Display &Shadingの設定を変更する事で、3D Viewport上の表示について、いろいろ変更する事が出来ます。

各部位について内容を確認していきます。

View Object Type

このアイコンをクリックすると、下記の様なウィンドウが表示されます。

オブジェクトの種類の後ろにある、目玉と矢先のアイコンの種類に応じて、標示・非表示、選択可能・選択不能の切替が出来ます。

アイコン種類意味
3D Viewport上で表示
(選択可否は矢先アイコン状態に従う)
3D Viewport上で非表示
(選択不能)
3D Viewport上で選択可能
3D Viewport上で選択不能

この設定を使えば、メッシュデータだけの編集をしたいのに、カメラや照明が選択されてしまうという時などは、選択不能にしておけば、いちいち選択解除しなくて済むといった使い方が出来ます。

ただし、間違って、変更してしまうと、表示されなかったり、選択できなかったりします。

Show Gizmo | Gizmo

Show GizmoアイコンでViewport Gizmoの表示・非表示を切り替えられます。

Viewport Gizmoがいつの間にか消えてしまったという場合は、ここを見直してみます。

右側の[∨]部分をクリックすると下記の様なウィンドウが開き、様々なギズモの表示・非表示を切り替えられますが、あまり変更しない方が良いでしょう。

Show Overlays | Overlays

Show Overlaysアイコンで、3D Viewport上にオーバーレイ表示(重畳表示)されているグリッド、座標軸、カメラ、ライトなどレンダリングには描画されないものの表示・非表示を切り替えられます。

Toggle X Ray

ShadingタイプがWireframeもしくはSolidの時、実際には見えない面・辺・頂点やグリッド等を見える様にするかどうかを切り替えます。

編集モード(Edit Mode)で頂点や辺を選ぶときに、X Ray モードがオフの場合、全体を選んだつもりでも、見えない裏側が選択させれてない事があるので、注意が必要です。

Viewport Shading | Shading

3D Viewport上でのMeshデータ(立方体など)の表示方法を切り替えます。

Wireframe

   

Solid

※Solidモデルでは、オブジェクトに割り当てられた色などは描画されません。

Material Preview

※オブジェクトに割り当てられたマテリアル(色などの情報)を合わせて表示されます。

Rendered

※最終的にレンダリングされる状態に近いのですが、オブジェクトが多くなったり、複雑になってくるとPCの性能によっては、描画速度が追い付かず、コマ落としの様になってしまうので、注意しましょう。

右側の[∨]を押すと、各Shading方法に応じた設定項目が表示されます。しかし、この辺りはあまり変更しない方が良いでしょう。


Sidebar

Sidebar(サイドバー)には、「Item」「Tool」「View」の3つのタブがあります。

Itemタブ

Itemタブには、選択されているオブジェクトのTransform(位置、回転、サイズ)に関する情報が表示され、ここで変更する事が出来ます。

回転の項目で、角度の指定方法は複数ありますが、ここでは、省略します。

Toolタブ

Toolタブは、Toolbarで選択されている機能についての設定項目が表示されます。

このタブの表示内容は、操作モードによっても変更されるので、ここでは、詳細は割愛しますが、選択しているツールの機能・操作モードで表示内容が変わるという事だけ覚えておきましょう

Viewタブ

Viewタブには、3D ViewportのView(視線)に関する情報や、3Dカーソル位置の情報等が確認できます


ショートカットキー

3D Viewportではキーボードで、色々操作ができます。

下記は主にObject Modeの時の物となります。

他のEdit Modeなどでは、これ以外のショートカットがあったり、同じキーでも異なる機能に割り当てられていたりする場合があります。

ショートカットキー機能補足
Aすべて選択
[ALT] + A選択解除
[SHIFT] + A[Add]メニューの表示
[CTRL] + A[Apply]メニューの表示
B?モード・カーソル上に十字のガイドラインを表示
[SHIFT] + BZoom Regionボックス選択範囲を表示領域に設定する。
※オブジェクトが含まれないとエラーになる。
[CTRL] + BRender Regionの設定※[CTRL] + [ALT] + BでRender Regionの解除
[ALT] + BClipping Regionの設定選択範囲しか表示されない。
※再度[ALT] + BでClipping Regionの解除
Cサークル選択モード
・選択以外の機能が無効化(メニュー等が選べない)
・右クリック or ESCキーでモード終了
[SHIFT] + CCenter Cursor and View All・3Dカーソルを原点に移動し、すべてのオブジェクトが3D Viewportに表示される様になる
[CTRL] + Cコピー
[SHIFT] +Dオブジェクトの複製・複製後は移動モード
[ALT] + Dリンクの複製・オブジェクトの複製に似ているが、複製元の頂点・辺・面の編集情報が共有される。
・複製後は移動モード
G移動モード
[SHIFT] + G[Select Grouped]メニューの表示
[CTRL] + G・右下にCollectionの新規作成の調整ダイアログが表示されるが、特に何も起きない
[ALT] + G位置情報のクリア(原点に戻す)
[CTRL] + [ALT] + Gコレクションからの削除
H選択されたオブジェクトを非表示にする・Outlinerで目玉アイコンが目を瞑ったアイコンに変化する
[SHIFT] + H選択されているオブジェクト以外を非表示にする
[ALT] + H非表示にされたオブジェクトを再表示する・OutLinerの目玉アイコンをクリックしても再表示される。
・[Edit Mode]で非表示にした頂点・辺・面は、キー操作でしか表示できない
[CTRL] + H
・[Hide Collection]のポップアップが表示されるが、選択できない。
I[Insert Keyframe Menu]ポップアップメニューの表示
※アニメーション用
[CTRL] + I選択状態の反転・選択されているオブジェクトを非選択へ、非選択のオブジェクトを選択状態へ
[ALT] + Iキーフレームの削除
[CTR] + J選択されている複数(2個以上)のオブジェクトのJoin(結合)
[SHIFT] + L[Select Links]ポップアップメニューの表示
[CTRL] + L[Make Links] ポップアップメニューの表示
M[Move to Collection]ポップアップメニューの表示
[SHIFT] + M[Link to Collection]ポップアップメニューの表示
[CTRL] + MInteractive Mirrorモード
Nサイドバーの表示・非表示の切替
[CTRL] + N[New File] ポップアップメニューの表示
OProportional Editing OptionsのON/OFF
[SHIFT] + OProportional Editing Optionsのパイメニューの表示
[CTRL] + Oblenderファイルを開く・保存前のデータがあれば、確認ダイアログ表示

・ファイルオープンダイアログの表示
[CTRL] + P[Set Parent To]ポップアップメニューの表示
[ALT] + P[Clear Parent]ポップアップメニューの表示
Q[Quick Favorites]ポップアップメニューの表示
・お気に入り機能を設定していなければ意味はない
[CTRL] +QBlenderの終了・保存前のデータがあれば、確認ダイアログ表示
[CTRL] + [ALT] + QQuad View(4画面)の切替
R回転モードへ
[SHIFT] + RRepeat Lastコマンド・直前に実行したコマンドの再実行。
・直前に何を実行したかによるので、状態はそのたびに異なる
[ALT] + R回転情報のクリア(初期化)
Sサイズ変更モードへ
[SHIFT] + Ssnapパイメニューの表示
・3D Cursorに関する各種操作メニュー
[CTRL] + SBlenderデータの保存
[SHIFT] + [CTRL] + SBlenderデータの名前をつけて保存
[ALT] + Sサイズ変更情報のクリア(初期化)
TTool Barの表示・非表示の切替
[CTRL] + Vコピーされたオブジェクトのペースト
W選択方法の変更・Wを押すたびに、選択方法が切り替わる
 Tweak
 Select Box
 Select Circle
 Select Lasso
[SHIFT] + WBend(曲げ)モード・3Dカーソルとマウスカーソルの間でオブジェクトを曲げる(?)
[ALT] + W選択方法パイメニューの表示
X
[SHIFT] + X
削除・確認あり
ZShading方法 パイメニューの表示
[SHIFT] + ZShading方法の切替・現在のShading方法と、Wireframeとの切替
@(アットマーク)View Point切替用パイメニューの表示
/(スラッシュ)
[CTRL] + ZUNDO・デフォルトでは、UNDOは32回の操作まで。
・UNDO回数を変更する場合は、PreferencesのSystemメニューから変更
スペースアニメーション開始・一時停止
[SHIFT] + スペースTool Barと同じ内容のポップアップメニューの表示
[CTRL] + スペース3D ViewportのWindow全体表示の切替・元に戻すには同じキー操作
[CTRL] + [ALT] + スペース3D Viewportの全画面表示・Tool Bar, Side Bar, Tool Settingなどが非表示の状態での表示
[TAB]現在のモードと[Edit Mode]との切替
[SHIFT] + [TAB]Snap機能のOn/Off
・Transform(移動・回転・サイズ変更)時の移動の制御設定。
・Transform時、動きがぎこちない場合は、Onになってないか確認
[CTRL] + [TAB]モード変更用パイメニューの表示
[DEL]削除・確認なし

Blenderは高機能な分、操作も複雑ですね。

ここで、記載し切れなかった機能も、まだまだありますので、本家のManualページなども参考にしてください。


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