目次
古い襖紙
古い家の古い襖の糸入り襖紙。
味があると言えば味があるのだが…。
くすんで、黄ばんで、シミがあって、糸がところどころ剥がれて垂れ下がっている。
そして、夜は特に部屋が暗く感じるので、明るい色の襖紙に交換する事にした。
準備したもの
新しい襖紙
ホームセンターで無地で水だけで貼れるタイプの物を購入した。
アイロンで貼るものやシールタイプの物もあったけど、安かったので…。
道具
道具は家にあったものの使いまわし。
- ハンマー
- 木材の端材(当て板)
- カッター(歯は新品で!)
- スクレイパー
- ドライバー
- スポンジ(実は自動車洗車用)
- おさえ刷毛(実は壁紙用)
- インテリアバール
- ラジオペンチ
- ブルーシート
- 薄手のべニア板
- 散水ホース
- バケツ
- 霧吹き
- 脚立(小)
- 木工用ボンド
写真に写っていないのもいくつかありますうがご容赦を。
襖紙の貼り替え
襖を外す
襖は上に持ち上げて、下側を手前に引けばたいてい外せる。
上の小さい襖は高さがない分、取り外すときに引っかかってやや苦戦した。
以外と厄介なのが、右側上部の扉タイプのもの。
脚立の上で不安定、暗い、狭い、外すと落としそうになる。まぁ、でも錆びたり、固着してなくて外せたので良かった。
取り外し完了。
襖が乗っていた溝や、襖の裏側はかなり埃が溜まっていたので掃除。
襖の分解
構造の確認
襖の構造はこんな感じ。(案外質素なつくり)
襖紙は薄い合板に貼り付けてある。全体と言うより端の部分だけ貼ってある。
横桟は合板から外せない感じ。(接着剤でくっつけてある?)
外枠とかには釘が使われてなさそうなので、接着剤が使われてなければ外せそう。
扉タイプのものには、扉を閉めた時の留め具が枠にまたがって取り付けられているので、取らないとダメそう。
外枠を外す
とりあえず枠をまたいでついている金具を外す。
一か所、さび付いていていねじが回せなかったけど、片側が外せれば枠ははずせるだろうという事で放置。
襖は縦枠を外側から挟み込んでいる感じだから、縦枠を内側からたたいて外す。
直接金槌で枠をたたけば当然傷がついたり、凹んだりするので、あて木(端材)をあててその上から叩く。
そこそこ力をいれて叩かないと外れないが、外れそうにないと思ったら反対側の枠を外す事を試す。
外れない…
片方が外れれば、中の合板は抜き取れるので、無理に完全に分解はしない。
(無理に外そうとして、ほぞやほぞ穴を壊しても仕方がない)
小さい襖も同じ。
引き手の金具を外す
引きての構造はこんな感じ。
引き手を固定している釘が抜ければ、引手の金具は外れるが、釘を抜くのが中々厄介だった…。
ネットで調べると、下の図の様に金具の片方を持ち上げれば、釘が浮き上がり、釘の頭が出てくるとの事らしいが…。
まず、引手の金具と板の隙間がない…。仕方がないので、用途は違うがスクレーパーの先を滑り込ませて、金具のふちを持ち上げ、隙間を作る。
(この時点で引手は曲がる…)
作った隙間に、インテリアバールの先端を差し込み、ラジオペンチをてこの支点にして、引手を持ち上げる。
(スクレーパーの歯は折れやすいので、インテリアバールに変えている)
釘の頭を出すには、かなり持ち上げないといけない。合板がメリメリと音をあげる。(大丈夫か…と不安になる)
持ち上がった引手を抑えると、少し釘の頭が出てきた状態になる。
出てきた釘の頭をラジオペンチで挟んで力づくで抜く!
といつもうまくいけば良いのだが、中々釘の頭が出てこない時は苦労した。
取り外した引手の金具は再利用するので、曲がったのをラジオペンチで直しておく。(新しいのを買った方がきれいになるのだが)
すべての襖の引手を取れば、襖の分解完了
古い襖紙をはがす
水を掛けてふやかす
さて、襖紙をとめているのり(?)をふやかして取ろうという事で、外に運び出す。(思った以上に黄ばんでるなぁ)
裏の横桟(棒)は取れそうにないのでそのまま。
襖板を運ぶ場合には、この横桟が良い持ち手になる。下手に板を持つと板が割れる…。
裏表、全体に水を掛けてしばらく放置。
(しかし、これが、不幸の始まり)
紙をはがす
紙がふやけたら、紙をはがしていく。
板の裏の紙の端の部分をスクレーパーで一通りはがせば、表はすんなり取れる。
きれいに取れなかった部分を、スクレーパーや軍手ではがすが、まぁ、完全には上手くは取れないので、どこかで妥協する。
とは言っても表側に屑が残っていると、新しい襖紙がうまく貼れないので、表はきれいにする。
そして、よく見ると小さい襖の合板がべろべろと剥がれて、ふにゃふにゃになっていた…(ToT)
どばどば水を掛けたせいか…。
しかし、ここでどうにもしようがないので、とりあえず置いておく。
小さい襖は合板も薄く、水に弱そう…。
ふにゃふにゃに波打ってしまうのは、乾かせば何とかなるが、剥がれたのは元には戻らないので、乾いてから木工用ボンドなどでくっつけるしかないだろう…。
板を乾かす
板の水分が十分に乾くまで、野外で乾かす。
剥がれた合板の補修
水で濡れて剥がれた合板は乾いてから、木工用ボンドを少し薄めたものを、剥がれた部分に満遍なくぬって貼り合わせる。
剥がれてきてしまいそうな場合はクリップやミニクランプで抑えるか、何か重しを置いて接着する。
新しい襖紙を貼る
※自分は板に直接貼りました。(茶ちりは不使用)
養生
新しい襖紙を貼るのに、カッターで切ったり、水でぬらしたりするので、ブルーシートやべニア板を引いて養生する。
新しい襖紙は丸まっているので、一旦広げて、四隅に重しをおいて、丸まらなくなるまで放置する。
(放置時間が多い)
丸みが取れたら、いよいよ貼り付け。
襖紙の余分な部分をカット
取扱にくいので、襖の大きさより一まわり大きいサイズでカットする。
カッターの刃は出来るだけ寝かせて切る。立たせると、引っかかって紙が破れてしまう場合がある。
襖紙に水を塗る
紙の裏側(のりが塗ってある側)に水を塗る。
バケツに水を張って、スポンジに水を含ませて、裏面全体に満遍なく塗っていく。
板に紙を貼り合わせる
水を塗り終わったら、上から襖板をかぶせて、軽く押さえつける。
紙と板を剥がれないようにひっくり返す。
よっこら… せっと!
なで刷毛で仕上げ
この後、なで刷毛を使って、出来るだけ空気が残らないように板と紙を貼り合わせていく。
気を付けるのは、折り目を付けないように、慌てないように丁寧に。
几帳面な人は、スマホの保護シールの様に気泡を残したくないと思うかもしれないが、多少気泡が残っていても良い。
濡れた紙が乾く際に、ピンと張ってくれるから。(そう信じて妥協する)
気泡よりは、端の部分をしっかり貼り付ける事を気を付ける。
乾燥
後は、しっかりと(パリッとなるまで)乾燥させる。
(ここでも、長時間放置。というか、残りの襖に紙を貼り付けていく)
端の手直し①
乾いてみると端の部分がうまく接着できていない場合がある。その場合は再度水で濡らして、接着を試みる。(乾燥させる)
端が浮いてる 霧吹きで濡らして貼り直し
何度やってもだめなら、一旦先に進む。
はみ出した部分の切除
古い襖紙は、端の部分を裏側にまで回していたが、新しい襖紙ではその貼り方は無理そうなので、板からはみ出た部分をカットしていく。
①襖紙が十分に乾いたら、全体をひっくり返す。
②板に沿って、はみ出た部分をカッターで切除
横桟の部分は無理して切らずに残しておく。
③表にひっくり返し、横桟の部分で切れていない箇所をカット
カット完了
端の手直し②
カットした後、もう一度ふちの部分がしっかし接着されているか確認する。
しっかり接着されていないと、枠にはめた時に剥がれたり、折れ曲がってしまったり、破れてしまう可能性があるので、しっかり貼りなおす。
水でくっつかない様なら、木工用ボンドを薄めたもので貼りつける。
残りの襖板にも同様に紙を貼りつけていく。
(一部皺になってしまったが、DIYだから仕方がない…)
襖の組み立て
枠へのはめこみ
きちんと紙が板に貼れたら、襖板を枠にはめこんで行く。
- 向きを間違えないように
- 襖板と新しい襖紙が溝にきちんと入っている事を確認
大きい襖は一人ではめるのはなかなか難しい…。立ててはめるより、寝かせてはめる方がやりやすいかも。
襖紙がしっかり溝に入っていない部分はスクレーパーなどで押し込んでいく。
残りの枠の取り付け
写真に写っていないが、反対側の縦枠を取り付けて、あて木をあてて金槌で叩いてはめこんで行く。(紙が溝からはみ出ていないか、十分気を付けながら)
すべての襖の枠に板をはめ込み、枠を取り付けて完了。
ん? 引手の穴がない…
引手の穴に切り込みを入れる
引手の穴のふちを指で押さえて輪郭を浮き上がらせる。
ふちから中心に向かって(4方向から)、カッターで十字に切れ込みを入れる。
引手の金具の取り付け
引手の金具を穴にはめ込む。(ある程度力がいるかも)
取付完了!
本来なら、釘を打ち込んで固定するのだろうけど、はめ込んだだけで充分しっかり固定されている。
(それに、将来引手を交換したいと思うかも知れないので、このままにしておく)
小さい襖にも同じように引手を取り付ける。
(小さい襖は合板がべろべろになったので、皺が残ってしまった。写真の方向の光だと良く目立つなぁ…)
襖の取り付け
取り外したときと逆に、上側の溝に押し当てて、下を押し込んで取り付ける。
扉型の襖は取り外したねじを元通りに取り付ける。
完成!
仕上がりは完璧とはいかないが、襖紙が白くなったので、部屋の中が明るくなった。(特に夜)
やはり、新しいのはいい!
DIYでやってみた感想
見た目の印象が明るくなるので、やってよかった。
他人に勧めるかは微妙かな。
理由は、道具も多くいる、時間もかかる、作業場所も必要、襖を壊す可能性も高いなど、最初は失敗する可能性は高いかも…。
壊してしまった襖を新しく買うとなったら、いくらかかる事やら…。
(サイズも家それぞれみたいだから、オーダーメイドかも)
なので、DIYは自己責任で…。
いろいろDIYでやっていれば、力加減とか手順とかは何となくわかってくるとは思うけど、それまでに代償を払う覚悟も必要かと。
うまく行けば、それに見合う成果が得られる!