Blender事始め – No.07(複数のメッシュデータの操作)

対象バージョン:Blender v2.82a

複数のメッシュデータの操作

3Dモデリングは、複数のメッシュデータを組み合わせたり、加工したりします。

そのために、Blenderでの複数のメッシュデータの操作に関してみていきます。

準備

複数のメッシュデータを扱っていると、間違ってカメラ(Camera)や照明(Light)を触って移動してしまう場合があります。そういったわずらわしさをなくすために、Outlinerで非表示にしておくか、View Object Typesで[Camera]や[Light]を選択されない様にしておきます。

Outlinerで非表示
View Object Typesで選択不可

メッシュデータの数が増えていって、操作したくないメッシュデータがある場合も一時的に非表示にしておけば、誤操作を防げます。

また、この記事での操作は基本Object Modeのものです。それ以外の操作モードでは異なる動きになるので注意してください。


複数のメッシュデータの追加

データの追加

当然ですが、[Add]メニューの[Mesh]から追加したいメッシュデータを追加していけば、メッシュデータはどんどん追加されていきます。

ただ、メッシュデータの原点が3Dカーソル上になるように追加されるので、追加時点では重なっていて見えない場合があります。追加時にMoveモードにして移動させておきましょう。

※メッシュデータは追加時に選択されていますが、間違って選択解除してしまっても、Outlinerから追加されたメッシュデータを選択できます。

データの複製

もし、あるメッシュデータと全く同じものを追加したい場合は、複製する(Duplicate)ことも可能です。

複製する場合は、複製したいメッシュデータを選択して、[Object]メニューから[Duplicate Object]を選択します。もしくは、[SHIFT]+Kキー押下でも可能です。

複製直後には複製されたメッシュデータは移動モードになっているので、適当な位置に移動させます。

複製によく似た機能で、「Duplicate Link(リンクの複製)」がありますが、ここでは詳細はか割愛します。

データのコピー・ペースト

複製と同じ様な機能として、コピー・ペースト機能があります。

コピーする場合は、[Object]メニューから[Copy Objects]を選択します。もしくは、[CTRL]+Cキー押下でも可能です。

ペーストする場合は、[Object]メニューから[Paste Objects]を選択します。もしくは、[CTRL]+Vキー押下でも可能です。

名前の変更

追加したメッシュデータには、メッシュデータの名前+連番(初めて追加された場合はなし)の様な名前が割り当てられます。

メッシュデータ種類命名規則
PlanePlane, Plane.001, Plane.002, …
CubeCube, Cube.001, Cube.002, …
CircleCircle, Circle.001, Circle.002, …
UV SphereSphere, Sphere.001, Sphere.002, …
Ico SphereIcosphere, Icosphere.001, Icosphere.002, …
CylinderCylinder, Cylinder.001, Cylinder.002, …
ConeCone, Cone.001, Cone.002, …
TorusTorus, Torus.001, Torus.002, …
GridGrid, Grid.001, Grid.002, …
MonkeySuzanne, Suzanne.001, Suzanne.002, …

このままでも、いいのですがオブジェクトが増えていくと、それぞれのメッシュデータが何を表しているのかわかりにくくなります。

そのため、メッシュデータを追加したら、自分が分かりやすいような名前に変更する癖を付けましょう。

名前の変更は、Outlinerで名前を変更したいメッシュデータの部分をダブルクリックして、名前変更モードにして、キーボードから名前を変更します。


メッシュデータの選択

複数のメッシュデータの選択は、選択ツールによって異なりますが、ここでは[Select Box]を前提に話を進めます。

個別選択

メッシュデータを個別に選択するには、3D ViewportやOutlinerで選択したいメッシュデータをクリックします。

選択を解除したい場合は、メッシュデータがない場所をクリックします。

複数選択

複数選択する場合は、3D ViewportとOutlinerで少し操作が異なります。

3D Viewport

「A」キーを押すことで、選択可能なメッシュデータを全て選択できます。

[ALT] + 「A」キーで全選択解除となります。
メッシュデータのない部分を左クリックしても全選択解除となります。

[SHIFT]+[ALT]+左クリックで複数選択が可能です。
明るいオレンジで囲まれたメッシュデータに対して[SHIFT]+[ALT]+左クリックを行うと選択解除になります。
また、暗いオレンジで囲まれたメッシュデータに対して[SHIFT]+[ALT]+左クリックを行うと明るいオレンジで囲まれる様になり、それまで明るいオレンジで囲まれていたものは、暗いオレンジになります。

Outliner

「A」キーによる全選択、[ALT] + 「A」キーによる全選択解除は、Outliner内のすべての項目が対象となります。

[SHIFT]+左クリックでは、最初にクリックしたデータから最後にクリックしたデータの間にあるデータ全てが選択されます。

[CTRL]+左クリックで複数選択が可能です。
(3D Viewportでの[SHIFT] +クリックと同じになります)

選択されたデータの中で明るいオレンジで囲まれたデータを「Activeな選択データ」と呼びます。

Blenderでは、選択データの中にActiveなもの、Activeでないものがあるのは特徴的ですね。


複数メッシュデータのトランスフォーム

選択された複数のメッシュデータに対して、トランスフォーム(移動、回転、サイズ変更などの変形)が可能です。

ただし、複数のメッシュデータが選択されている状態で、どの部分を基準としてトランスフォームを適用するのかを留意する必要があります。

どこを基準にするかは、上部のTool Settingの[Transport Pivot Point]で指定します。

それぞれを指定した場合の意味と動きを見てみましょう。

種類アイコン説明
Bounding Box Center外接ボックスの中心を変形の起点にして、全体を変形する
3D Cursor3Dカーソルを変形の起点にして、全体を変形する
Individual Origins各データの原点を変形の起点とし、各データに対してそれぞれ変形する
Median Point各データの中点(全体の重心)を形の起点にして、全体を変形する
Active ElementActiveな選択データの原点を起点にして、全体を変形する

二次元で模式的に表すと下記の様になります。

移動については、基本どこに起点があってもあまり変わりはありませんが、回転やサイズ変更は下記の様に大きく変わります。

Transform Pivot Pointのそれぞれの特徴を覚えておくと、効率良くメッシュデータを一括で変形させる事が出来るようになります。


複数メッシュデータの関連付け

複数のメッシュデータを取り扱う時に、毎回、選択して操作・変形を行うというのは大変です。

例えば車を考えた場合、車本体を移動したり、回転したり、サイズ変更したら、タイヤはそれに応じて変化して欲しいですね。

上記のデータはここからダウンロードできます。

そういった場合に、メッシュデータ同士に関係性を持たせる方法がいくつかあります。

Join(結合)

Join(結合)は、選択されている複数のメッシュデータをActiveな選択データにまとめてしまう機能です。

メッシュデータを全て選択し、結合先のメッシュデータをActiveにしてから、[Object]メニューの[Join]を選択します(もしくは、[CTRL]+Jキーを押下します宇)。

Join(結合)する際に気を付けなければならないのは、「すべてのデータが一つのメッシュデータにまとめられてしまう」という点です。

Outlinerを確認すると、結合後はタイヤデータ(Wheel_FL, Wheel_FR, Wheel_FR, Wheel_RR)が消えている事が分かると思います。これは、後で、タイヤを個別に操作・編集したいと思っても出来なくなっている事を示しています。

結合前

結合後

一旦、Join(結合)してしまうと、Undo以外で分離するのはかなり骨が折れるので、Joinすべきデータかをよく考えてから実行しましょう。

Parent(親)設定

Parent(親)設定は、メッシュデータ間に親子関係を持たせる機能です。

親子関係を持たせたいメッシュデータを全て選択し、親となるメッシュデータをActiveにしてから、[CTRL]+Pキーを押して、[Set Parent To]ポップアップメニューを表示し、[Object]を選択します(もしくは、[Object]メニューから[Parent]→[Object]を選択しても同じです。

あるメッシュデータにParent(親)(となるメッシュデータ)が設定されている場合、Parent(親)データのTransform(変形)操作が、子であるメッシュデータにも反映されます。

しかし、子データに対するTransform(変形)操作は、Parent(親)に設定されているデータには反映されません。

Outlinerを見ると、Join(結合)と同じ様に、タイヤデータ(Wheel_*)が消えている様に見えますが、Bodyを展開すると、Bodyの中(下)にタイヤ(Wheel_*)が配置されている事が分かります。

その他

Modifier(モディファイヤー)の機能を使うと、Join(結合)の様に、複数のメッシュデータを一つのメッシュデータにする事が出来ますが、ここでは、説明を省略します。


データが複数になると、また、考えないといけないことが増えますね。


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